咳が出ると苦しいですね。咳が出ると咳をする本人もつらいし、周りの人も心配で落ち着かなくなってしまいます。
咳をすると、咳自体が次の咳を誘発したり、咳で肋骨が折れたり、咳でよけい苦しくなって失神したり。いろんなことが起こります。
また、咳はいろんな病気で起こります。肺炎や、気管支炎、気管支喘息、肺がん、心不全、最近では逆流性食道炎などでも起こることが知られていますね。
こんな咳はたいしたことはないと思っているうちに、その裏側で他の病気が進行していることもあります。
咳と簡単に言っても奥が深いものですね。ここでは、そんな咳を理解して、うまくつき合っていく方法を考えてみました。
咳の治療薬の種類
咳止めにはいくつかの種類があります。
1. 中枢性鎮咳剤
2. 末梢性鎮咳剤
( 末梢性鎮咳剤・鎮咳去痰配合剤 )
( 末梢性鎮咳剤・気管支拡張剤 )
3. 鎮静剤
4. 漢方薬
に分けて考えましょう。
中枢性鎮咳剤とは
咳の反射を起こす刺激が脳に伝わってきたとき、この刺激を受ける関門のレベルを上げる薬です。
つまり、刺激にたいして反応が起こりにくくなる薬です。
中枢性鎮咳剤
いろいろありますが、大体似たような薬です。
この種類の薬は便秘の副作用があることが多いので、下痢止めとしても使われることがあります。
| 薬の名前 | 特徴 |
|---|---|
| リン酸コデイン | 鎮痛・鎮静作用は緩和.咳嗽中枢に対する鎮静作用.便秘あり |
| リン酸ジヒドロコデイン | 鎮痛・鎮静作用は緩和.咳嗽中枢に対する鎮静作用.便秘あり |
| メテバニール | リン酸コデインの5〜14倍の作用.20〜30分で効果発現,6〜8時間持続 |
| アスベリン | 延髄咳中枢の抑制による鎮咳作用と共に気管支腺分泌を亢進,気道粘膜線毛上皮運動を亢進して去痰作用 |
| メジコン | 咳嗽反射抑制作用 |
| ノレプタン | 咳嗽中枢を抑制して鎮咳作用.呼吸促進作用あり |
| ナルコチン | 速効性の鎮咳効果,呼吸中枢刺激作用,軽度の気管支拡張作用 |
| アストミン | 咳嗽中枢に直接作用し鎮咳効果.腸管内容輸送抑制作用(便秘作用)を示さない |
| レスプレン | ピペラジン系.気道内分泌液増加作用,喀痰粘稠度低下作用,鎮咳作用 |
| トクレス | 咳嗽反射抑制作用はリン酸コデインの1.5倍 |
| フスタゾール | 咳嗽反射抑制作用,気管支筋弛緩作用 |
| フラベリック | 非習慣性中枢性コデイン同等効果.中枢興奮性の低下,気管支筋弛緩などにより鎮咳作用 |
| コルドリン | 非習慣性中枢性鎮咳作用 |
| フスタギン | 非サポニン性配糖体.咳嗽中枢を抑制して鎮咳・去痰作用 |
末梢性鎮咳剤とは
これは、末梢、つまり気管や気管支の刺激の起こるところで、局所の状態を改善して刺激を起こりにくくする薬です。これにはたくさんの種類があります。
鎮咳去痰剤は、痰を抑えて咳を止める薬です。
気管支拡張剤は、気管支の収縮を抑える薬です。気管支が収縮して縮んで来ると、咳の刺激をうけるレセプターの刺激が強くなりますので、これを抑えます。また、同時に気管支が広がって通りやすくなると、痰が出やすくなります。
痰のない空咳の場合は必ずしも有効ではありません。
末梢性鎮咳剤・鎮咳去痰配合剤
いわゆる咳止めと、痰を柔らかくする薬の配合剤です。
| 薬の名前 | 特徴 |
|---|---|
| 濃厚ブロチンコデイン | 急性気管支炎,感冒,上気道炎,肺結核に伴う咳嗽および喀痰喀出困難に |
| セキコデ | 急・慢性気管支炎,感冒・上気道炎に伴う咳嗽および喀痰喀出困難に |
| フスコデ | 作用発現時間短縮.咳抑制程度も強く持続的.便秘作用は軽減 |
| カフコデN | かぜ症候群における鎮咳,鎮痛,解熱.気管支炎における鎮咳に |
| ネオアス | 気管支喘息,喘息性・急性気管支炎,感冒・上気道炎に伴う咳嗽に |
| アスドリン | 急性気管支炎,感冒・上気道炎に伴う咳嗽に |
| アスゲン | 鎮咳作用の速効,増強,持続 |
末梢性鎮咳剤・気管支拡張剤
気管支拡張剤はたくさんあります。
このセクションでは簡単に紹介しておきます。
| 薬の名前 | 薬の分類 | 特徴 |
|---|---|---|
| 塩酸エフェドリン | βレセプター刺激剤 | 気管支拡張作用.鼻粘膜血管収縮作用.(注射)血圧上昇作用 |
| メチエフ | βレセプター刺激剤 | 気管支拡張作用,中枢性鎮咳作用 |
| アロテック | βレセプター刺激剤 | イソプロテレノールより長時間持続性.副作用少ない |
| ベネトリン | βレセプター刺激剤 | 選択的β2受容体刺激作用 |
| ホクナリン | βレセプター刺激剤 | テープ:世界初のβ2刺激薬の経皮吸収薬.作用時間が長く,持続する気道閉塞や夜間発作を予防 |
| テオドール | テオフィリン剤 | 1)気管支喘息.2)喘息性気管支炎.3)慢性気管支炎,肺気腫に |
| アルビナ | テオフィリン剤 | 強心利尿薬.心筋刺激作用,冠拡張作用.気管支拡張作用 |
| アトロベント | 抗コリン剤 | 気管支喘息,慢性気管支炎,肺気腫に基づく諸症状の寛解 |
| テルシガン | 抗コリン剤 | 吸入により気管支収縮抑制作用を示す |
| スピリーバ | 抗コリン剤 | 1日1回の吸入でよい,慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎,肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の寛解 |
鎮静剤
間接的ですが、脳の反応を抑えて鎮静させる薬、たとえば睡眠薬などは、脳の咳の反射自体も抑えてしまうので、咳を押さえる働きがあります。
漢方薬
漢方薬は咳のみを抑える、ということではなくて、体全体から調整して、咳を抑えるように働く、と考えてください。
| 薬の名前 | 特徴 |
|---|---|
| 麦門冬湯 | 痰の切れにくい咳,気管支炎,気管支喘息 |
| 半夏厚朴湯 | 不安神経症,神経性胃炎,つわり,せき,しわがれ声.神経性食道狭窄症.不眠症など〔気分がふさいで咽喉,食道部に異物感があり,ときに動悸,めまい,嘔気などを伴うものの諸症〕 |
| 清肺湯 | 痰の多く出る咳に、痰を出しやすくします |
| 竹ジョ温胆湯 | インフルエンザ,風邪,肺炎などの回復期に熱が長びいたり,また,平熱になっても気分がさっぱりせず,咳や痰が多くて安眠ができないもの |
| 滋陰至宝湯 | 虚弱なものの慢性の咳・痰に |
| 滋陰降火湯 | のどにうるおいがなく痰が出なくて咳込むもの |
| 五虎湯 | 咳,気管支喘息に |
| 柴朴湯 | 小児喘息,気管支喘息,気管支炎,咳.不安神経症〔気分がふさいで,咽喉,食道部に異物感があり,時に動悸,めまい,嘔気などを伴うものの諸症に〕 |
| 参蘇飲 | 感冒,咳 |